
Story
開発ストーリー
Outline
概要
新型コロナウィルスが蔓延し、世の中が大混乱を迎えていた2020年12月に「札幌医科大学医療現場ニーズ発表会」が行われたことから、本製品の開発は端を発します。
放射線部から「CTやMRIでは、仰臥位で腕を拳上して行うことが多い中、現行のものでは安定感が得られず腕が動いてしまう」というニーズが発表されました。素材等は何で製作するか等の不安は多々ありましたが、当社の「課題を吸い上げて解決に向けた開発をする」という経験を活かすことができると考え、1回目の打ち合わせに臨むこととなりました。

メーカーの付属品

腕を挙上する必要がない場合はベルトで固定
Challenge
課題解決への挑戦
現在はコンクリート製造を主業務とする北海道ポラコンにて本製品の事業化を試みていますが、当初は子会社であるR-e(株)の案件としてスタートしました。R-e(株)は「‘着る・着用する’ことで身体にまつわる課題を解決する」ことを目指すベンチャー企業として設立しました。これは代表である中島が金融機関を退職後、大学発ベンチャー企業において、ロボット工学をベースとしたアシストスーツウェア(重労働時の腰痛等負担軽減のために着用する衣類)の開発に従事したことから、2014年12月に北海道ポラコン社に入社後は、同社の新規事業として各種補助金を活用しながら、課題解決型の商品の開発を試みています。

2つのビジネスモデル特許を取得

車椅子用介護ガウン

抗菌性ソックス ‘ニッケルがはたらくソックス‘
Development Story
RestAm開発ストーリー
Episode-1
第1回目の打ち合わせの際に
- CT検査機に付属となっている樹脂製の腕支持器具では、継続的な腕の支持ができず、患者に負担がかかっている。
- 撮影時には造影剤も投入するため、状況に応じて患者に腕の位置を変えてもらう仕様が欲しい。
- 機器の付属品ではない他社の製品もあるが、課題は解決できない仕様であり、また高価である(30万円超)。
という部分が明らかになりました。
調べていくと、全国の医療機関で同様の悩みを抱えていると考えられ、また知的財産関係を調べたところ特許第3601192号『上肢固定具』、特開平01-058245『アームアップホルダー』、登『3239754』程度であり、知財の面からも開発余地があることから、まずは簡単な試作品の開発から入ることとしました。当社は‘アパレル’をベースとしていることから、素材の範囲に限界があり当初は市販の店で手に入るものを組み合わせながら最適な形状を考案していきました。この間も新型コロナウィルスの蔓延による行動制限は続き、開発当初はWEBミーティングなど非接触でコミュニケーションを図りながら、試作品が完成したら札幌医科大学の現場に届け、フィードバックをもらい改善する、というのを繰り返しました。

1回目の試作品

2回目の試作品

3回目の試作品


4回目の試作品

札幌医大での打ち合わせの様子
Episode-2
そのような中、2023年度に公益財団法人北海道科学技術総合振興センター(通称:ノーステック財団)の「医療機関ニーズ対応型開発補助金」に採択されたところから、本製品の開発は一気に進みます。そのあたりから北海道立総合研究機構および、同じ札幌市内に本社を置くプラスチック製品成型加工製造の北海化成工業所さんにも加わっていただき仕様の決定に向かっていきました。札幌医科大学側の要望を再度ヒアリングしなおす中で、3回目、4回目、5回目の試作品を製作。‘つかむ’‘手を置く’など複合的な動作を可能とするために、複数の棒を組み合わせ、また手首を置くスペースを設けました。
6回目の試作品で仕様がほぼ決まり、札幌医科大学でも実際に使用していただく中で(2週間、1,000人以上の被験者)「ほぼ全ての患者さんに使用し、高評価を得ている。マルチに腕を置いたり掴んだりすることができるので現場のオペレーションも大幅に改善した」とのことから、事業化フェーズに入ることを決めました。

北海化成工業所との打ち合わせ


札幌医大での試作品チェックの様子


最終仕様の試作品

これで特許、意匠権を出願
Episode-3
現在は、北海化成工業所さんのご協力を得ながら製品の更なる拡大のために「コストダウン」および「生産のスピーディー化」を図っています。有り難いことに、様々な病院から「使用してみたい。評判が良ければ購入を検討したい」というお声かけをいただいている一方、サンプル品が少ないため数量を適宜増やしています。また展示会等にて露出することで、製品の存在を広く知っていただく活動にも力を入れています。
「そうそう、この課題あるよね」「へーこんなものがあったなんて知らなかった」「これ使ってみたい」「データ取るなら協力しますよ」などポジティブな意見が非常に多いことから、これまでやってきたことに自信を深める毎日です。
製品名は、「患者さんの腕をできるだけ楽にする」という意味合いをこめて、‘Rest(休憩する)’と‘Arm(腕)’を組み合わせた造語「RestAm(レスタム)」と名付けました。少しでも早く、少しでも多く本製品を医療現場に届け、患者さんと現場の負担を軽減することを目標に日々取り組んでいます。


各病院で試験的な使用が始まっている

展示会の様子